コラム
ゴミ屋敷を片付けてくれる業者を選ぶには
ここ数年、メディアなどで「ゴミ屋敷」が取り上げられることも多くなりました。
ああなったら大変だろうな、と他人事と思っていたのに、何故か自分がその当事者になってしまったという方、もしかしたらいらっしゃるのではないでしょうか。
様々なストレスを抱えて片付けができなくなってしまった方、実は少なくはないのです。
また、残された家の処分などで、似たような状況に立たされて居る方も増えているようです。
しかし、いざ片付けようとしても、その物量の膨大さに圧倒されて、何から手を付けたらいいのかわからず、結局業者に依頼してしまおうと考える方は少なくありません。
また、近年こういったケースの増加によって、ゴミ屋敷と呼ばれる状態の清掃を扱う業者も増えており、その質も問題視されるようになりました。
そこで今回は、ゴミ屋敷の片付けを依頼する業者を選ぶ際のポイントをご紹介してまいりましょう。
ゴミ屋敷の片付業者を選ぶ時大切なポイント
まず気になるのは、料金のことではないでしょうか。
また、あまり人に見られたくない状況を知られてしまうわけですから、作業するスタッフの質なども気になってきます。
料金について
「ゴミ屋敷の片付けをします」と具体的に上げている業者もありますが、不用品の回収をしますという形で広告している業者もあります。
詳しくはチラシやホームページで、どういった内容に対応しているのか、調べる必要があるでしょう。
費用をなるべく抑えたいというのは誰もが考えるところですから、料金の比較も大切になります。
しかし、安いなりのサービスしか受けられなかったのでは、意味がありません。
他の業者と比較して安い理由が見つからない場合は、その業者を避けるのが賢明です。
清掃業者に支払う費用には、「人件費」「車両費」「ゴミの処分費用」が含まれています。
家一軒分の費用ということでパック料金のようになっている場合もありますが、様々なものがオプションのように設定されていることもあり、そこは各業者によって差異があります。
大抵の場合には見積もり段階で内訳の説明があるはずですので、不明点についてはしっかり訊いておきましょう。
下記で料金に含まれる、各費用の大まかな考え方を記しています。
・人件費
清掃や回収作業をするスタッフの人件費は、1人あたり1万円から1万5千円程度が目安です。
作業にかかった時間に関わらず大体これくらいなので、高いと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、ゴミとして処分するものであっても、整理や仕分けなどをしなければなりません。
ゴミ問題が大きく取り上げられる昨今、きちんと分別した形でなければクリーンセンターなどに持ち込むことができなくなっています。
ここをあまりに安く見積もっている場合、サービスの質が問われることが想定されます。
・車両費
処分品などを運搬するトラックの費用で、有料道路の料金やガソリン代などが含まれていることが多いようです。
軽トラックなら3千円から、1tトラックなら5千円、2tトラックなら1万円からなど、業者によって差はありますが、大体はこの程度の金額からになっているようです。
・ゴミの処分費用
回収したゴミを処分するのは、もちろん無料ではできません。
自治体のクリーンセンターに持ち込むにしても、分別をしなければなりませんから、作業時間で計算することが多く、1時間あたり1万2千円から2万円程度となっています。
基本料金の考え方
この部分に関しては、間取りで考えるか、整理しなければならない物の量で考えるか、業者によって様々になっています。
例えば、1DKならいくら、2LDKならいくらという基本料金を設定しておいて、そこに回収しなければならない物の量を加算していくという業者もあります。
部屋数が少なくても、そこが全て物で埋め尽くされていれば、当然作業に時間がかかります。
また、たとえ部屋数が多くても、整理しなければならない物が数えるほどであれば、作業時間は少なくて済みますし、さほど手間をかけずに回収品の処分ができるでしょう。
ですので、まず業者には見積もりを依頼することが必須です。
どのようなサービス内容なのかを知る
基本料金が安かったとしても、そこにどれだけの作業が含まれているのかが大切です。
もしかしたら、分別をしなければならない場合は有料なのかもしれませんし、簡単な片付け以外の、少しでも掃除に関わるような部分は基本料金に含まれていないのかもしれません。
こういった点も含めて、見積もり依頼が重要になるわけです。
ほとんど不用品の回収だけで済むような場合なら確認する項目は少ないでしょうが、処分品やゴミが大量にある場合は、注意が必要です。
また、もしかしたら異臭が残ったり、害虫が発生したりということへの対応も含めて、依頼しなければならないかもしれません。
ハウスクリーニングを依頼する場合、部屋数などで基本料金を定めていることが多いようです。
どのようなケースにオプション料金が発生するのか、見積もりの際にきちんと訊いておく必要があります。
許認可などがあるかどうか
もしホームページなどがあれば、古物商許可などは記載があるでしょうから、確認が可能です。
古物商許可は、不用品の回収でリサイクルが可能なものがあった場合、売却する際に必要なものです。
また、故人の家を処分する際などには、遺品整理士の資格認定を受けているスタッフが在籍している業者だと、安心して任せることができるでしょう。
※特殊清掃の場合はさらに高額になります※
上記は一般的なゴミ屋敷などの場合です。
孤独死や自死などが起きた部屋での特殊清掃は、通常の方法では処分できない物への対応など、まさに特殊で困難な状態になりますから、さらに金額が高くなります。
業者に依頼する際の注意点
■必ず複数の業者から見積もりを取る
面倒だと思ってしまう方がおられるかもしれませんが、1番はじめに見積り依頼をした業者がどんなに良いと思っても、必ずいくつかの業者に見積もりを依頼してください。
ゴミ屋敷と呼ばれるような状態になってしまった場合の清掃などは、安くても数万円、高ければ10万、20万円の単位になりますから、これをしておかないと、後悔してもしきれないということになりかねません。
見積もりに来てもらうのが心苦しいという方がいらっしゃるかもしれませんが、業者の側は
それが当然だと思っていますから、心配は要りません。
稀に見積もり自体が有料という業者もありますが、ほとんどは無料で行っています。
簡単な見積もりは電話やメールで対応していますが、正確な料金は実際に見てからでなければ出せません。
簡易的に電話などで問い合わせてから、最低でも5社程度に絞って、見積もり依頼をすると良いでしょう。
料金が安い理由の見つからない業者は避ける
チラシなどで地域最安値などとうたっている業者もありますが、見積もりであまりにも安い費用を提示してくる業者には、注意が必要です。
それで利益が出るのか不思議に思うような金額であれば、高額なオプション料金などを後から請求してくることも考えられます。
事務所などに費用をかけていない、こういう理由で経費の削減ができているなど、ホームページやチラシなどに納得できる理由が明記されていれば話は別ですが、安いだけの業者は避けた方が無難です。
ゴミ屋敷の整理のために業者を使ったことがあるという方は、増えているとはいえ、さほど多くはないでしょう。
また、部屋の中がゴミ屋敷状態になっているのが恥ずかしい、隣近所に知られたくないなどの理由で、業者に依頼するのをためらっておられる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、業者はプロであって、そういった現場に対応する高い能力を持っています。
顧客のプライバシーに対する守秘義務の遵守や、長年汚れた状態で発生した害虫対策などにも長けているはずです。
はじめての業者選びは少し難しいかもしれませんが、この記事を参考にして、良い選択をしていただければ幸いです。